グリーンネットまほら:インタビュー Vol.03
モットーは「目指せ!日本一楽しいゴミ拾い」
タツノオトシゴが生息したかつての江の島を取り戻すために!
まほらの第三回目となる今回は、江の島を拠点に2005年から海岸清掃活動を主におこなっているNPO法人 海さくらの理事長・古澤純一郎氏にビーチクリーン活動についてお話を伺いました。
右:海さくら 理事長 古澤 純一郎氏
左:マリンネット編集部 田中 克希
海さくらを立ち上げられたきっかけを教えて下さい。
古澤
大学を卒業してからデパートに務め、そこを辞めるつもりはなかったんですけど、熱烈なアタックをしてもらって広告代理店に転職し、当時は、仕事をしまくっていました。
しかし、父親が倒れたことがきっかけで、130年以上続く船具を作っている家業(古沢工業)に戻ることになりました。
その後30歳を前に長女が生まれ、自分が熱くなれること、芯から喜べるものがないかと思い、家業は船具屋ですし、海が好きなので、ここ(江の島)をきれいにしたいと考え、ひとりでゴミ拾いをはじめました。
しかし、あまりにもゴミが多く、仲間が居ないと無理だと感じ、30歳の時に海さくらを立ち上げました。
はじめた当時の規模は?
古澤
立ち上げ当初は1人でやっていました。学生時代は運動部だったので後輩とか同期を「ゴミ拾いするぞ!」って無理やり呼んだりしたんですけど、そのうちどんどん人がいなくなって、自分もつまらなくなって、2年間くらいそんな感じでした。 仕事では実力をつけ、どこに行っても出来ると思ったので家業の船具屋にも戻ったんですけど、自信過剰でゴミ拾いは全然ダメでした(笑)。その時は自分でも心地よくない海さくらをやっていたんですが、自分自身も楽しくやりたいと思い、 「目指せ!日本一楽しいゴミ拾い」を謳い出してから、人が集まって来たという感じです。
参加者の年齢層は?
古澤
抱っこされた生まれたての1歳くらいの子供や、70歳くらいのおじいちゃん、おばあちゃんまで参加者の幅はすごく広いです。 最近は、スタッフがSNSで若い人に届くよう頑張ってくれたりもあり、以前より10代、20代のグループも増えてきたように感じます。
海さくら 事業部長 赤井 弘夢氏(左)と
理事長 古澤 純一郎氏(右)
ブルーサンタやヒーローゴミ拾い、どすこいビーチクリーニングなどユニークなイベントのアイデアはどなたが考えられるのでしょうか?
古澤
ほぼ僕が決めちゃっている感じです。はじめた頃は運営が非常に厳しい状況でしたが、日本財団さんや、そのほか本当にたくさんのスポンサーさんにサポートをいただいたり、 また、素敵な出会いなども数え切れないほどあって、今では色々なイベントが実現できています。
続けるのは並大抵のことでは無いと思いますが、この活動を突き動かす原動力は何でしょうか?
古澤
たくさんの仲間に大変お世話になったので、簡単に止めるなんて出来ません。もちろん辛い時もありますが、止めたいと思ったことは一度もありませんね。
海事産業に従事している人たちに対してメッセージをお願いします。
古澤
私が船具屋ということもあり、船や海事に携わっている方を本当に尊敬しています。海の男達って、飲むと気性が荒くてデカい男達っていう、僕にとってはポジティブなイメージが残っています。 そういうのは凄く好きなんで、そのカッコ良さと何か一緒に出来ればいいなと思っています。

古澤 純一郎(ふるさわ じゅんいちろう)
1975年 船具屋の長男として誕生
1998年 慶応大学・法学部を卒業
2005年 家業の古沢工業に入社
    「海さくら」の活動を開始
2015年 海さくらをNPO法人化
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