更新日:2020年2月25日 マリンネット株式会社
第3回 船舶におけるIT化

船上に何台のパソコンが設置されていますでしょうか?また、船内LAN環境はいかがでしょうか?

恐らく、6-8台のパソコンが搭載され、少なくとも3台ほど、すなわち、船長室、事務所、エンジンコントロールルーム内のパソコンがLAN接続されているのではないでしょうか?その内、船長室のパソコンだけが陸上とのメール交信に使用することができるようにしているのではないでしょうか?一応はLAN接続はされているが、パソコンやネットワークをどのように活用するかのルール作りまでは手が回っていない、全て船任せになっているというのが実情ではないでしょうか?

どうしてIT化をするのでしょうか?それは、膨大な船内事務作業を効率良く正確に行う為ではないでしょうか?また、そのような目的達成の為には、どのように情報機器を保守運用して行くかの手順を取り決めておくことが必要となります。更には、船内作業の情報を陸上と共有することにより、船舶保守や運航を効率よく行うことができ、船舶管理コストの削減、Off-Hireや事故の削減に繋がって行き、結果、船主経営を向上させることができると考えております。そのような考え方に基づき、陸上の事務所の運営も同時にIT化して行かねば、折角海上をIT化したとしても船主経営の向上にはつながりません。

今やIT化とは、単にパソコンなどの情報機器やソフトの管理・運用にとどまらず、経営に切っても切れない存在となっています。ここで言うIT化とはエクセルやワードを活用するだけではなく、様々な記録・データを有効に活用し、経営に生かして行くということなのです。

船上においては、様々な文書を作成し、保管していますが、これらの文書類をしっかり引継ぎ、また、活用して行くには、人手だけでは追いつかないほど分量が増えています。船員管理においても、また、PMSにおいてもしっかりと船員間で引継ぎ、活用されねば折角のデータも宝の持ち腐れです。

船内作業とは別に、Crewの福利厚生という観点においても船内IT化は有用です。休憩時間に家族とメール交信をする、インターネットでネットサーフィンをする、e-learningで勉強するなど、様々な福利厚生策を打つことが、船内IT化により達成することができると思われます。