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【まりたん第7回】
2023ミス日本「海の日」は
稲川 夏希さんのインタビューです
< 第532回>2023年07月07日掲載 


2023ミス日本「海の日」
稲川 夏希 氏
 















タイトル――――ミス日本への応募のきっかけについて教えてください。

 私が大学3年生の時、母の友人に勧められたことがきっかけでした。私自身、それまで子ども食堂や国会議員への政策提言などの社会貢献活動に参加していたのですが、その活動だけでは実現できることに限界があると感じていました。ミス日本を受賞することができれば、社会問題や貧困問題を、より強く社会に発信できるのではと考え、応募を決意しました。

――――半年間にわたる勉強会で、特に印象に残っている講座についてお聞かせいただけますでしょうか。

 元ミス日本グランプリ(1986年度受賞)で日本画家の、中村麻美先生による道徳の講義が印象に残っています。日本神話や偉人伝に根付いた和のこころについて、絵画を通じて学びました。特に心に残ったのは「光明皇后 千人のからだを洗う誓い」です。
 聖武天皇のお后の光明皇后は信仰に厚く、大変なさけ深い方でした。貧しい病人たちのために、悲田院という施設を作り、自ら出かけてお世話をなさっていました。ある日「人々のために功徳風呂を造り、千人のからだを洗いなさい」というお告げを聞いた皇后は、身分の区別なく誰でも入れる大きな蒸し風呂を作り、皇后自らが風呂場に入って人々のからだを丁寧に洗われました。そしてその数が999人になり、最後に入ってきたのは、病気でからだじゅうが膿んでいる老人でした。その老人が「このからだの膿みを吸い取って下さる方があったら、必ず病気は治ると医者がいいます。皇后さまにおすがりしようとやってまいりました」と言うと、さすがの皇后もこれには驚きましたが、何事も仏のおぼしめしと受け止め、老人の膿を吸いとりました。すると、老人の体はまばゆい金色の光に包まれた仏の姿に変わり、天に昇っていったそうです。

タイトル 光明皇后の慈悲深さ、そして日本人のこころの美しさを学ぶことができ、私自身も日本人としての真心を成長させていきたいと強く感じるお話でした。


――――稲川さんの社会貢献活動にも相通じるお話ですね。










タイトル――――ミス日本「海の日」の活動の紹介と今後の活動予定についてお聞かせください。

 ミス日本「海の日」は、島国である日本にとって大切な海の恵みへの感謝、海洋への理解と関心を深める役割を担っています。日本の海事産業を支える内航・外航海運をはじめとした海運業などについても学び、ミス日本「海の日」の活動を通して業界全体を盛り上げる一助になりたいと考えています。
 ミス日本「海の日」受賞後の今年2月には、小型船舶操縦士免許2級を取得しました。過去のミス日本「海の日」の先輩方は、皆さん一発合格だったと聞いていたのでプレッシャーもありましたが、無事に合格することができました。特に実技試験では、自然の力に逆らって操縦することがとても難しかったです。

 3月下旬には2023ジャパンインターナショナルボートショーに、ミス日本「海の日」2022の属 安紀奈さん、同2016(一般社団法人 日本マリン事業協会マリンアンバサダー)の杉浦 琴乃さんと参加しました。日本最大のマリンショーとなった会場では、様々な技術に触れることができ、海を間近に感じることができました。また3月末から4月には、斉藤 鉄夫国土交通大臣、石井 昌平海上保安庁長官、岸田 文雄首相を表敬訪問しました。
 今後の活動については、海上保安庁から「特別海上安全指導員」という役割を任命いただいたので、海の事故を未然に防ぐ活動に取り組んでいきます。7月17日の海の日には、国土交通省主催のイベントや功労者の表彰式、パーティーにも参加を予定していますので、海事産業が多くの関係者の皆さまの努力によって支えられているということも発信していきたいです。

 
タイトル
 
――――稲川さんの海の思い出についてお聞かせください。

 父がヨットマンで、私が3歳の時から一緒に海に繰り出していましたので、海は家族との思い出がたくさん詰まっている場所です。父も兄も小型船舶操縦士免許1級を持っていますので、私たち家族と海は切っても切り離せない存在です。今回のミス日本「海の日」の受賞は、父が一番喜んでくれました。

タイトル また、学習院初等科6年生の時に経験した遠泳(沼津海浜教育)も大切な思い出です。海が荒れていたので、どちらが前か分からず非常に過酷な環境でしたが、友人と共に泳ぎきった後の氷砂糖の味は、今でも覚えています。その時感じた達成感も、私の海好きに繋がっていると思います。最近では子供たちの海離れも深刻になっていますので、今後のミス日本「海の日」の活動を通じて、子供たちにも海の楽しさを伝え、海での楽しい思い出作りに貢献したいと思っています。


タイトル

 
――――将来の目標は「生まれや性別に左右されることなく一人一人が人生を輝かせることのできる社会を目指し、弁護士、さらにその先に女性初の首相(政治家)を目指したい」とのことですが、その想いに至った背景や、目標実現に向けた抱負をお聞かせください。

タイトル この志を抱いたきっかけとなったのは、中学3年生の頃、近所の地区センターでの1人の少年との出会いでした。少年は当時6歳でしたが、母子家庭でお母さまの帰宅が夜遅かったため、毎日閉館時間の夜10時までセンターで過ごし、晩御飯は菓子パンを食べていました。その姿を目の当たりにして、同じような立場の子供たちに、私にも何かできることはないかと考え、子ども食堂や学習支援の手伝いをするようになりました。
 その後は、これらの経験を活かして、若者が政治家に対して意見を届ける「日本若者協議会」に参加し、政治家の方々に政策提言を実行してきました。そして、それまでの様々な活動を通して、将来どういった立場で子供たちやその母親の力になることができるかを考えたとき、弁護士として、働く女性などの労働環境の改善の手伝いをしたいと強く思うようになりました。具体的には、高額な弁護士費用の負担が無くても相談ができるプロボノ弁護士として、社会的弱者の方一人ひとりに寄り添っていきたいと思っています。最終的にはその経験を活かし、政治家として子供たちの貧困や女性を取り巻く労働環境の改善に取り組んでいきたいです。




――――目標実現に向けて、着実に前進されていますね。大学ではどのようなことを学んでいるのでしょうか?

 現在大学では法学部に在籍しています。所属ゼミではシェアリングエコノミーなど、現代的な問題をテーマに取り上げ、会社法や金融商品取引法をもとに学びを深めています。新しくできたサービスや仕組みは、法整備が整っていないため答えや判例が無く、既存の民法や条例等をどのように適応するか、ゼミ生自らが意見を持って、活発な議論が行われています。

――――欠かせない美容・健康法についてお聞かせください。

 私にとって欠かせない美容・健康法は3つあります。まず1つ目は筋肉トレーニングや高地トレーニングです。兄がアスリートで、プロのフットサルプレイヤーとして活動していますが、その影響もあって、私自身もラクロスや陸上に全力で取り組んできました。筋肉トレーニングは、筋肉をつけるという健康美の側面以外に、内心の鍛錬にもなると考えています。自分の目標や限界を超えたときの達成感によって心が晴れやかになり、自己肯定感にも繋がります。2つ目はスリムビューティーハウスの施術です。ミス日本のファイナリスト時代から通っていますが、外側からだけでなく、内側(骨盤)からの美を追求することができます。エステティシャンの方との対話を通して、その日の体調に合った施術をしてもらうことができるので、私の美容において大きな柱になっています。3つ目は、サプリメントの摂取です。サプリメントには悪いイメージを持つ方もいらっしゃるかもしれませんが、自分の体に今何が足りないのかを考え、自分の体と真摯に向き合って対話する意味でも大切にしています。

タイトル
 
タイトル――――思い出に残っている「一皿」についてお聞かせください。

 母が毎日おいしい料理を作ってくれるのでとても迷いますが、私にとって思い出に残る食のエピソードは、父と兄に、毎年母と手作りのバレンタインチョコを作ることです。ガトーショコラやフォンダンショコラ、毎年メニューは変わりますが、兄の誕生日が2月14日のバレンタインということもあって、毎年楽しみにしています。普段から母と一緒に過ごす時間は多いですが、キッチンでゆっくりとお菓子を作る時間は、母と過ごす特別な時間です。過去に一度だけ、忙しかった母がチョコを湯煎せずに火にかけて、見事に焦げてしまいましたが、それも良い思い出です。笑

――――稲川さんご自身もお料理をされるのですか?

 料理は好きです。兄も私もアスリートでしたので、食にはかなり気をつけて生活をしてきました。母が忙しい時には昼食や夕食を作ることもあります。毎日口にする食べ物に対して体は正直に反応するので、食はとても大切にしています。最近は撮影などで減量をすることもありますが、健康的に無理なく行うことを心がけています。

――――心に残る「絶景」について教えてください。

 石垣島と西表島の間にある浜島です。潮が引く時間だけ現れる島なので、幻の島とも呼ばれていますが、昨年の年末に家族4人で石垣島に旅行をした際、小型ボートで浜島に行きました。小さな島ですが、360度海と空に囲まれていて、まるで私しかこの世界にいないかのような感覚になりました。

タイトル その時は、ミス日本の最終審査を控え、自分自身の過去や現在、そして未来について悩んでいた時期でしたが、海の美しさや水の中で感じる静けさなど、浜島での体験を通して、生きていることの幸せを感じ、それまで抱えていた悩みも吹き飛ばすことができました。1月23日の最終審査では、浜島で感じた幸せをかみしめ、ただ悔いのないようにという気持ちで挑むことができました。






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【プロフィール】
稲川 夏希(いながわ なつき)
東京都出身 慶応義塾大学法学部4年
将来は、弁護士・国際弁護士を目指す

■ミス日本公式サイト(https://www.missnippon.jp/

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